7/21/2008

ホールフーズで販売されるボールダーのおもちゃ

昨年末のクリスマス商戦で、中国製のおもちゃの多くに含鉛塗料が使われていると云うことで大騒ぎになったことを覚えている読者は多いのではないだろうか。アメリカの大手の玩具メーカーが、中国で委託生産をしていたものを、リテーラーから引き上げせざるを得なく、クリスマス商戦で大きな痛手を被った話だ。子供向けの玩具に含鉛塗料を使うのはまったくもって非常識だが、中国だけの責任でなく、メーカーの品質管理を怠った利益追求だけの発想にも大きな問題があったものだと思う。

このような騒動があったおかげで、本来おもちゃとはどうあるべきか、商業主義に陥っているおもちゃの生産販売などについても検証されるようになったのは言うまでもない。子供の知的な発育とともに、どのようなおもちゃが健全なイマジネーションの発育などに役に立つのか、健全なおもちゃが見直されたのは言うまでもない。その中で、脚光を浴びることになったのは、ボールダーの自然玩具を作っているImagiPLAY社だ。この会社を創業をしたのはBarbara Aimesさんだ。彼女は日米で音楽や言語を勉強した知日派の人だ。自然をこよなく愛するエイムズさんは、子供たちにこの自然の尊さを理解させ、子供たちが自然との接点を設けるようにとの努力を重ねてきた。自然玩具の構想もその中で生まれたもの。

ImagiPLAYのおもちゃは、子供に対して安全なだけでなく、地球にとってもやさしいおもちゃなのだ。子供に数やアルファベットを覚えさせたり、世界の動物などを理解させる道具にもなっている。同社の基本方針は環境にとって良いやり方でどのようにおもちゃを作るかと云うことが大きな課題でもある。そのために使う原材料は、ゴムの木だ。ゴムの木は25−30年にわたって天然ゴムの原料なるものを作り出すが、天然ゴムの抽出の寿命が終わると、新しい木と植え替えられる。その廃木を利用して、トゲも無い良材で、おもちゃを作ると云う訳だ。

このImagiPLAYのおもちゃがナチュラルスーパーの最大手のホールフーズに注目され、今年の秋から、全米のホールフーズでおもちゃを取り扱う拠点で販売されることが決まった。ホールフーズが、玩具を採用する際は、通常は各リージョンごとの購買責任者の判断で決められると云うことだが、このImagiPLAYだけは本体が購買を決めると云う珍しいものとなった。ホールフーズとImagiPLAY社が、地球環境を守ろうとする姿勢、価値観が同じと云うのがその大きな理由のようだ。

中国の含鉛塗料おもちゃの問題が発生するまでは、ImagiPLAY社は目立たない会社だった。しかし、子供や環境へのリスクが表面沙汰になると、突然とImagiPLAY社などが脚光を浴びることになった。廃木を利用して、発展途上国で職を与えているこのビジネスは、きっと子供たちに新たな環境への強い絆を作り上げていくことだろう。ボールダーの会社がこのような面でも活躍をしているのは明るい話題だ。

0 件のコメント: