7/04/2008

ボールダー経済変革の兆し



月刊ソトコトで「ボールダー通信」を連載し始めて、ボールダーを身近に観察することを業とするようになった。人々に会い、いろいろなできごとを見詰めながら、なぜボールダーでこのようなできごとが起こっているのかいつも深く考えるようにしている。そうすると、ボールダーは、表面では捉え難い強いマグネットのような磁力を持って人々を引きつけていることが判る。そうしてボールダーという街は、いつの間にか、嗅覚が優れているのか、時代のかなり先端的な波動をキャッチするがごとく、変貌を遂げている気がしてならない。決して方向転換ではなく、蝶のように毛虫のような形体から蝶へと脱皮していくメタモルフォシスのプロセスを彷彿させる。

ボールダー個別事例の詳しいことについては、月刊ソトコトの記事を見ていただければ判るようにしたいが、ボールダーの多面性のキャラクターの上に新たに代替エネルギー研究の聖地が付け加えられようとしている。実際は、スペースの問題もあり、ボールダーの街というよりは、ボールダーカウンティのルイスビル市が対象となるのだが、ボールダーのコロラド大学も一部に参画するので、ボールダーと称しても構わないだろうと思う。


今年の春に、石油企業大手のコノコ・フィリップス社がボールダーカウンティーに元ストレージテック社(サンマイクロシステムズ社に吸収合併された)のルイスビルキャンパス(432エーカー)の巨大な用地を利用して、次世代の代替エネルギーの研究開発・トレーニングセンターを設けると発表した。石油資源がピークを迎えるだろうと云う予測を下に、コノコ・フィリップス社の未来の柱になる代替エネルギーのセンターをこの地に設けようと言うことだ。しかも、その規模が大きく、研究開発に携わる要員は7000名になると云う。現在の民間の最大の雇用主がIBMの約4000名強ということなので、倍弱のスタッフを擁することになる。

ドイツの巨大コングロマリットのシーメンズ社もボールダーに研究施設を設けるようになることを発表したばかりであり、ボールダーのニューエネルギー研究開発の層は厚くなるのは必定だ。特に大学との連携を発表するなど、産学協同での活動が行われるようになるからだ。今月号のソトコトには、当地の電力ガスのXcel社が、ボールダーを世界で初めて市全体をスマートグリッドで覆うことを発表したばかりでもあり、市のインフラは、双方向の発電・利用ができるインテリグリッドの時代にも突入しているからだ。

このビバボールダー・ロハスは、しばらくお休みさせていただいていた。頻度は少ないかも知れないが、再度立ち上げるようにしたい。ご希望のテーマがあれば、いつでもメールをいただきたい。では、これから友人宅のBBQに出かけていく。今日はアメリカの独立記念日の休日だ。経済的に苦労しているアメリカの脱却の糸口が何かボールダーから出てきそうな気がする。

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