7/15/2008

ストーリー・タイム・ヨガの小さなブーム

アメリカにおいてヨガは大きなブームになっているのは大方知られていることだ。ヨガを通じてアメリカ人は、単に身体的な健康だけに限らず、より深い意味での精神的な安らぎも得ていると言える。ペースの速い現代社会は、必要以上に人々の心の負担を高め、心の問題が発端になり、全体的に不健康になる人も多い。不健康になってから実行するよりも、より防衛的な意味で、また健康な時に積極的にヨガを取り入れる方が、身になることは間違いない。

一部のところではヨガが、社会のプレッシャーからの逃避のためのツールとなり、それも行き過ぎたヨガ信仰になってしまうが、その例外を除いてはヨガは、アメリカ社会でもかなりの速度で受け入れられ始めている。これまでは、60年代の反社会的な若者文化から発掘されたヨガと言えるが、現在のアメリカでは、フィットネス的な側面も多く出てきており、本来のヨガ精神からほど遠いものになっているかも知れない。日本の武道、空手や合気道なども、いつの間にか、アメリカの市場に沿ったものも出てきており、本流を行くものとしては不満が多いことだろうが、それも、アメリカのニーズだと考えれば、致し方のない面もあるのだろう。

今日紹介するのは、子供向けのストーリー・タイム・ヨガ教室の小さなブームのことだ。シドニー・ソリスさんが始めたこのヨガ教室は、ボールダーの街の小さなヨガ教室と云う世界から、全米のヨガ事業の一つとして伸び始めている。

ストーリー・タイム・ヨガの歴史は浅い。始まったのは2004年のことだ。このメソッドが目指すことは、子供たちに夢ある物語を聴かせ、身体的、精神的な健康的な生活のやり方をいろいろなポーズで教えて行くというものだ。その間に英語やスペイン語なども教えている仕組みだ。しかも、その物語と云うのが、世界中の知恵者の物語であり、子供たちに世界各地の伝統や考えを含んで行くものらしい。参加したことがないので、何とも言えないが、当地のマスコミの報道などによるとかなり全米的に受け入れられているらしい。

ソリスさんは、8月号のYoga Journal誌にも紹介されているだけでなく、彼女が著した"Storytime Yoga: Teaching Yoga to Children Through Story"がアマゾンドットコムのヨガ本の中でトップ15位になっていると云う。子供向けだけでなく、全体のヨガ本だからすごいと言える。彼女の最新作"The Treasure in Your Heart: Yoga and Stories for Peaceful Children”が4月に出版されたばかりだ。ソリスさんによると、子供たちが6才までに想像豊かに育たないと、その後そのような発想は持ちにくくなると云う。確かにそうだろう。子供の頃の教育は大事なのはよく判る気がする。

ソリスさんは、広い知識と哲学的な背景を持っていたお父さんから多くのことを学び取ったらしい。世界の宗教とか、伝説とか、ヨガなどである。12才で黙想を始めたらしい。当て逃げをされた1993年からヨガを始めたが、5年ほど前にご主人が亡くなってから、好きなヨガとストーリー語り部を始めることにした。

ソリスさんはまた、ウェブを通じてストーリー・タイム・ヨガの指導を行なっている。既に海外の人も含め、100人の人が指導を受け資格を取った。この、講座のコストは比較的に低く、ボールダーとの接点も増えるので、より多くの方が参加されるようにもなるだろう。ボールダー発のニュースは多い。何人かいる日本人のブロガーにとって、この街のニュースを伝える喜びは大きい。人にとって何かプラスのヒントになればと思う。

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