7/11/2008

ボールダーの住宅事情

アメリカ経済は、現在サブプライムなどの問題により、大きな問題に直面している。住宅は、その中でも、すそ野の広い建設業界を抱える問題となるので、その経済的インパクトは大きく懸念されるところだ。ボールダーにおいても、ある程度の影響が出ているのだが、全米全体の危機度と比較するとあまりそれが感じられないのは何故なのだろうかと思う人も多いと思う。

私は当地ウェールスファーゴの招待で5月にコロラド大学で開催された大きな経済会議に出席した。その時のプレゼンテーションの一つにボールダーの住宅事情を説明しているものがあった。その際の問題指摘は、当地の住宅の値段が上がりすぎているために、基礎サービス産業に従事している人たちが、コスト高のためにボールダーに住めないと云うものだった。ボールダーは、成長抑制策をとっていることから、新規住宅着工の許可件数はあまり発行されていないので、供給過多にならない体質が染み付いているのだ。なので、全米で不動産の価値が値崩れをしている時に、ボールダーは横ばい程度の「苦戦」を強いられていると言える。いや、場合によっては、やはり良い環境のところは値段が上がっていると言えなくもない。特に最近発売がはじまったペロトン集合住宅は、高級マンション並みの値段がつき始めている。トップのチャートを見てもらっても判るように、ボールダー市、回りの市も含むボールダーカウンティー、そうして全国の住宅価格の推移を見て行くとボールダー市がいかに突出しているか理解できよう。

需要が供給を大きく上回る訳だが、それは何としてもライフスタイルでボールダーの価値が認められているからに他ならない。ボールダーの本日付けデイリーカメラ日刊紙に書かれているところによると
アメリカの住宅関連の雑誌二誌にボールダーの街のネイバーフッド(地区とでも訳そう)が優秀と云うことで選ばれている。記事リンクについてはタイトルと連動をしているので原文を見ていただいても良い。

一つは市の中心部で、歴史的建造物を中心としたMapleton Hill地区だ。それから、もう一つは、街の北部の新規住宅開発され、低所得者層用の住宅を含んだHoliday地区だ。全く違う視点をもつThis Old House誌とCottage Living誌がボールダーを選んでいるのは面白い。

歴史的建造物の多いMapleton Hillは、いかに歴史を大事にしつつも、よりエネルギー効率良いものに仕立て上げているかについても述べられている。もちろん、アメリカ人の中には、お国の歴史が浅いことから、歴史的な建造物を求める傾向がある。古い外観を保ちつつ、中は、現代的に改築したりして別に古屋に住んでいるのでなく、贅沢なライフスタイルだったりすることが多い。

Holiday地区は、日本の集合住宅のようなイメージもあるが、それでも遊歩道トレイルをふんだんに織り交ぜたり、商業施設の上手なレイアウトを含めてコミュニティの場を設けたりするなど、未来的な都市設計を意識したものなのだろうと想定している。

ボールダーは、アスペン、ヴェイル、スティームボート、ブレッケンリッジなどのようなコロラドの有名保養地に比べてバケーションホームは少ない。ここは、生活をするために憩いの場にしている人が多いのだ。だからこそ、ライフスタイルとしての価値ある街と選ばれてくるのだろう。

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