10/02/2006

高地訓練法がダイエットに効く!

ボールダーが日本のマラソン選手の高地訓練として使われていることは多くの人が知っている。高地訓練が盛んになったのは72年のミュンヘンオリンピックの頃からだそうだ。ボールダーのフランク・ショーター選手が2:12:19.8で金メダルを獲得したのが一つのきっかけだったと云われる。その後日本の歴代のマラソンの女子選手でオリンピックメダルを取った人たちは軒並みボールダーで高地トレーニングをするようになった。高地トレーナーとしてのビジネスも出るなど、高地とボールダーは切っても切れない関係が出来上がった。

ボールダーで高地訓練を受けることは誰にでもできることではないし、世界各国の競合アスリートたちは、高地訓練にかわるトレーニングの器具を求め始めたといってよい。そのような市場の要請に応えてきた会社がColorado Altitude Trainingと云う会社だ。この会社.が行っている事業は面白い。要するにこの会社が行っていることと云えば、いろいろな形態の疑似高地空間を作り出して、人が休むとき、あるいは訓練をするときにその空間利用をさせている。利用者はアスリートに限らず競争馬だったり、軍だったりしていると云う。

この会社のウェブサイトを見るとクライエントの中には多種多様なスポーツの超有名選手がいる。それだけ勝つことに、職業を賭けている人たちだが、低酸素状況を人為的に作ることによってスタミナや多くのメリットを生み出すことが判ってきているようだ。このような商品を作っている会社が、Aestis Incと云う別会社を作りスポーツ選手に限らず、今度は高地生活状況による、ダイエット効果を見出し、それを商品化することを発表した。しかも、そのエビデンスのためにかなりの実験を行うことを行い始めている。

Aestis社が導入をしたのはThinAir Systemと云うもので、超肥満対策に使うとしている。この商品が市場に出るのにはまだ3年はかかるだろうとのことだが、超肥満に悩むアメリカとしては、運動もせずに、食事制限もせずに、ここで高地シミュレーションテントで寝るだけでやせるという。ThinAirがシミュレーションをするのは海抜 14,000 feetレベル、つまり富士山の高さよりも高い高地状況だそうだ。高地でもこの高さに至らないとダイエット効果にメリットがないからだそうだ。このような高地になると、食欲が減退してくるだけでなく、一方では新陳代謝がかなり進むようになるとのこと。これが、今回の売りになるのだろう。この方式を使って、既にオランダの学者が実験を済ませている。

ダイエット効果を求めて、ボールダーの科学者は面白いことを考えたものだ。まだ多くの実験が残っており、投資家の参画を求めるとのことだが、実行できるのであれば、かなり面白いことになりそうだ。それにしてもそこまでして超肥満対策を組むことを考えるというのは、アメリカの状況もよほど悪いと見なければならないだろう。

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