アニメのクラシックになった宮崎駿監督の大作の「風の谷のナウシカ」は、英語版も出されるなど、アニメの世界で風力を使って自活するライフスタイルを描いていた。私たちの子どもが何度も何度も見た作品なので強い印象となって残っている。谷と言えば、何か風とつながるような印象となったのはそのためだ。ボールダーもボールダーバレー(渓谷)と言われるように一応「谷」なのだろうが、広さが広いので、日本だったら平野か大きな盆地に近い印象だろうか。風が吹くときは強風に感じるが、アメリカ政府が出している風の地図を見ると西側の山々の天辺は理想的な風力発電のソースのようだが、平地に来ると、よほどボールダーの東側に行かないと理想的な風力発電のソースとはならないようだ。
しかし、ボールダーが再生可能なエネルギーの一大中心地になろうとしていることから、そこに世界で最大の風力発電タービンメーカーのVestas社(デンマークの企業)が、事業を拡張することになった。その拡張によりコロラドでの新規従業員数は1350名に達する規模の風力タービンの生産拠点となる。これは、これまで2拠点あったところに2拠点を追加してくるというものだ。Vestas社は、世界に設置されている大型の風力タービンの23%のシェアを誇り、世界中に既に35,500機以上のタービンを設置してきた、この分野では超大手企業だ。
ボールダーから西に約30分のところに造られる二つの工場では、タービンの翼を生産し(650名)そうしてもう一つの設備においてはタービンハウジングを造る工場ができるようだ(700名)。同社は既にボールダー北西のウィンザーの街に翼を造る工場(200名)を有しており、今後650名の規模までに雇用が増大するらしい。Vestas社は、また、コロラドにおいて、タービンや翼の基礎となるタワーを造る工場も造ることを5月に発表している。ただし、その場所については、まだ明らかにされていない。これらの工場のキャパシティはタービンハウジングが年に1400機、翼が1800機、そうして、タワーが年に900機規模になる模様だ。
アメリカはこのように急速に代替エネルギー、再生エネルギーの強化に動き始めている。それは政府の方針と云うよりは、民間企業が今後のエネルギー需要を見込んで自らリスクを冒し動いているものがほとんどだ。ボールダー、その中で徐々にキーとなるような役割を担うことになりそうだ。コノコ・フィリップス社の代替エネルギー研究所の設立に始まり、電力ガスのエクセルエナージー社のスマートグリッドなどの実験などは、ボールダーのエネルギー地図を完全に塗り替えて行くことだろう。
8/16/2008
8/10/2008
ボールダーの政治的傾向
今年は4年おきに行なわれる選挙の年だ。現在大統領候補のマッケインとオバマが、シノギを削っているところだが、アメリカで民主党候補、共和党候補といわれてもピンと来ない方も多いだろう。そのために、共和党の価値観と民主党の価値観の違いをほんの少しだけ触れるようにしよう。
マッケイン候補は共和党だ。共和党は、元々は政府など公的部門(small government)を最少限にして、個人の発意でものごとを進めれば、ことがうまく行くと考える政党だ。なるべく政府の規制を排除して、公的部門の活動を少なくするので税金が低くなり、個人の自由のもとで事業ができるようにしたいというものだけに、一般的には経済界にサポーターが多い。しかし、もともと共和党の党理念と絡んでいるのか判らないが、伝統的な家族を中心とした価値観や宗教観を推し進めているために、アメリカのバイブルベルトや保守層の間でもサポーターが多いのも事実。実業界に強い反面、所得層の低い白人などの基盤なども持っている政党だ。以前は別かもしれないが、最近では比較的、強い愛国主義者が多く、自国中心の考え方が強くなっている。マッケイン候補は、独立独行な共和党異端者(maverick)と言われており、完全な共和党マインドではないが、ブッシュ現大統領と施策では90%以上同じだと云う点で保守的な候補には違いない。
オバマ候補は民主党候補だ。民主党は伝統的には、組合など労働運動の組織をバックにしていることからも、小さな政府よりは、政府の福祉厚生などでより積極的な施策、労働者の保護、弱者の保護をとってきた傾向がある。政府の活動を高めるというポジションから、支出が増大すると見られており、高額所得者への課税強化、つまり、所得の再配分を目指す傾向も強い。なので、ビジネスマンや事業家の中には民主党の経済政策を支持しないことが多い。民主党は、社会政策をより積極的にとることで知識人やリベラルな人にサポートをされるところが多い。また、民主党のオバマ候補は、アメリカ企業が海外投資をしていることで職を輸出しているとの立場を取っている。そのような企業に対しては、税制優遇策を与えないようにしようという政策を打ち出そうとしている。エネルギー政策では、代替エネルギーの開発で、エネルギー自給独立を訴えており(マッケインも似たところがあるが、より沖合油田の石油掘削を積極化しようとしている)、環境派的な代替エネルギー促進を主としている。
11月に行なわれる選挙は、大統領選挙だけでなく、上下両院の選挙も行なわれ(上院は3分の一しか改選されない)、州議会、市議会などの地方自治体レベルまで変わるのである。
今日は長い前置きだが、なぜこのように説明してきたかというとボールダーの政治的な傾向をお知らせしたくて書いたまでのこと。ボールダーは、リベラルの牙城と見られており、民主党傾向がとても強い。郡の公職にある人で、選出された共和党系の人はいない。それ程リベラルなのだ。当然、こちらはオバマ候補者を立てようとする傾向が強い。コロラド州は、牧場主などが多くこれまで共和党派を支持する人が強かった。しかし、コロラドの発展に伴い、人口流入が多くあり、多くのハイテク系の人たちが入ってきている。そのために、共和党保守派の安全な選挙区だったコロラドが接戦州の一つになると見られている。ボールダーは、その中では異色な自治体なのがよくお判りいただけるものと思う。しかも、その傾向はますます強くなってきているのだ。まさに異色派ボールダーなのだ。
8/08/2008
成長の苦しみを味わうクロックス
数年前にクロックスのサンダルが出てきたとき、あんな履物はデザインが悪く、流行らないだろうと考えた人も多かったはずだ。私もその内の一人だった。しかし、予想に反し、あの変わったデザインで、パステルカラー調の派手派手な履物は全米のみならず、世界的なヒット商品になってしまった。ヒットには浮き沈みがある。現在、クロックスは売り上げ減だけでなく、商品特許についても認めてもらえず、自ら切り開いた市場に類似品の出現で苦戦している。そのクロックスが今年に入ってから、三度目の従業員の整理を発表した。今回は75名の人員削減とのことだ。
クロックスは、ボールダー発の企業だと云うことを知っている日本人は少ないかもしれない。日本では幼児がエスカレーターにおいて靴が巻き込まれ怪我したことがマスコミに報道され、とてもネガティブなイメージが蔓延したと思う。消費者の安全性を第一に考える必要はあるが、日本では安全表示のためにエスカレーターに黄色で枠が塗られており、その範囲内で立っていれば怪我していないだろうと推測される。なのにメーカーの責任としてマスコミが大騒ぎをしている。もちろん、靴が安全に越したことはないが、日本ではサンダル履きなどをしている子供いる訳で、サンダルが悪いと云う人はいないだろうに、クロックスだけが責められることはおかしい。大人がクロックスを履いていたら、エスカレーターの淵に足を置くことはまずあり得ない。それを見守れなかった親の責任はどうなのだろうかと思う。当然、怪我した子供の親の気持ちとしては大変なことだろうが、メーカーだけの責任にしてしまうところは問題が片手落ちの気がしてならない。正月によく餅が喉にからまって死ぬお年寄りの方も多い。気の毒だが、役所が介入したり、マスコミが報道して誰も餅を食べてはいけないとはいわないのと同じことだろう。
今回の解雇とエスカレーターの問題は同じベースの話ではないかもしれない。私はクロックスの履物を常用しており、その履き心地の良さは、他のサンダルなどとは比べ物にならないと思っている。ボールダーの会社だから応援しているのではなく、使用したときの利便性、履き心地、などは上等だと思っている。しかも、クロックス社は、一つの商品に依存するのではなく、ギアーやアパレル、その他の分野にも商品開発を進めて、ブランドとして認知度は米国はもとより、多くの国において急激に高まった。投資家からファンドも出るなど、企業の成長性も大きく期待されるようになったのだ。あの、サンダルだけの会社では無くなってしまっている。
解雇前の雇用数値を見て行くと、全米においてクロックスは1849名の従業員を抱えていたと言う。ボールダーにおいては550名いたと言うのだ。会社が商品を売り始めたのが2002年末というから、その急成長ぶりに驚かされる。商品点数SKUもものすごい勢いで伸びてきており、従業員の増加とともに、消化不良を起こしたのだと考えざるを得ない。ウォールストリートが求める利益目標が高過ぎると云う点でも、上場をしてしまった欠陥があるのだろう。不要なプレッシャーがあるから、不要なリスクを冒してしまっているのだ。
クロックス社は、昨日のプレス発表で、自社の販売見込み数値に見合った組織の大きさにするように戻すと明言した。また、誰彼構わなく売っていた口座を整理して、自社店舗や大手の販売をしてくれるところに集中をしようとしていることが目標のようだ。恐らく、商品群についても、売れ筋のものに力を入れ、売れ筋でないものについては整理をして行くことだろう。急成長の苦しみから開放されるのには、もう一度背骨をしっかりと立て直す必要が出てくる訳で、その作業に入ったのだと思う。
ここで日本のマスコミに一言を言いたい。ものごとを報道するときは、もちろん怪我や問題発生のときは報道せねばならないだろうが、メーカーだけの一方的な責任として押し付けずに、親の指導の足りなさ、不注意なども指摘するようにして欲しい。階段を上っていれば、親子の健康にも良く、足腰を鍛えることにもなる。タイプ2の糖尿病など、子供の「成人病(生活習慣病)」対策にも良いはずなのでクロックスの使い方を良く理解した上での積極的な活用をお願いしたい。ジビッツなどで爪が剥がれた件なども報道されているらしいが、私が子供の頃、サンダルを履いていて、多くの怪我もしたのを思い返すと、メーカー非難を考えたこともなかった。何もしないで靴が壊れると云うのなら欠陥品だが、使用者が常識外の使い方をするのであれば、自己責任はどうなのかしっかりと考えて欲しい。
そう言えば、ボールダーでエスカレーターは少しあるが、皆はしっかりと歩いて怪我などしていないようだ。日本の親は子供をしっかりと歩かせることで、日本の子供もたくましく育だててもらいたい。
クロックスは、ボールダー発の企業だと云うことを知っている日本人は少ないかもしれない。日本では幼児がエスカレーターにおいて靴が巻き込まれ怪我したことがマスコミに報道され、とてもネガティブなイメージが蔓延したと思う。消費者の安全性を第一に考える必要はあるが、日本では安全表示のためにエスカレーターに黄色で枠が塗られており、その範囲内で立っていれば怪我していないだろうと推測される。なのにメーカーの責任としてマスコミが大騒ぎをしている。もちろん、靴が安全に越したことはないが、日本ではサンダル履きなどをしている子供いる訳で、サンダルが悪いと云う人はいないだろうに、クロックスだけが責められることはおかしい。大人がクロックスを履いていたら、エスカレーターの淵に足を置くことはまずあり得ない。それを見守れなかった親の責任はどうなのだろうかと思う。当然、怪我した子供の親の気持ちとしては大変なことだろうが、メーカーだけの責任にしてしまうところは問題が片手落ちの気がしてならない。正月によく餅が喉にからまって死ぬお年寄りの方も多い。気の毒だが、役所が介入したり、マスコミが報道して誰も餅を食べてはいけないとはいわないのと同じことだろう。
今回の解雇とエスカレーターの問題は同じベースの話ではないかもしれない。私はクロックスの履物を常用しており、その履き心地の良さは、他のサンダルなどとは比べ物にならないと思っている。ボールダーの会社だから応援しているのではなく、使用したときの利便性、履き心地、などは上等だと思っている。しかも、クロックス社は、一つの商品に依存するのではなく、ギアーやアパレル、その他の分野にも商品開発を進めて、ブランドとして認知度は米国はもとより、多くの国において急激に高まった。投資家からファンドも出るなど、企業の成長性も大きく期待されるようになったのだ。あの、サンダルだけの会社では無くなってしまっている。
解雇前の雇用数値を見て行くと、全米においてクロックスは1849名の従業員を抱えていたと言う。ボールダーにおいては550名いたと言うのだ。会社が商品を売り始めたのが2002年末というから、その急成長ぶりに驚かされる。商品点数SKUもものすごい勢いで伸びてきており、従業員の増加とともに、消化不良を起こしたのだと考えざるを得ない。ウォールストリートが求める利益目標が高過ぎると云う点でも、上場をしてしまった欠陥があるのだろう。不要なプレッシャーがあるから、不要なリスクを冒してしまっているのだ。
クロックス社は、昨日のプレス発表で、自社の販売見込み数値に見合った組織の大きさにするように戻すと明言した。また、誰彼構わなく売っていた口座を整理して、自社店舗や大手の販売をしてくれるところに集中をしようとしていることが目標のようだ。恐らく、商品群についても、売れ筋のものに力を入れ、売れ筋でないものについては整理をして行くことだろう。急成長の苦しみから開放されるのには、もう一度背骨をしっかりと立て直す必要が出てくる訳で、その作業に入ったのだと思う。
ここで日本のマスコミに一言を言いたい。ものごとを報道するときは、もちろん怪我や問題発生のときは報道せねばならないだろうが、メーカーだけの一方的な責任として押し付けずに、親の指導の足りなさ、不注意なども指摘するようにして欲しい。階段を上っていれば、親子の健康にも良く、足腰を鍛えることにもなる。タイプ2の糖尿病など、子供の「成人病(生活習慣病)」対策にも良いはずなのでクロックスの使い方を良く理解した上での積極的な活用をお願いしたい。ジビッツなどで爪が剥がれた件なども報道されているらしいが、私が子供の頃、サンダルを履いていて、多くの怪我もしたのを思い返すと、メーカー非難を考えたこともなかった。何もしないで靴が壊れると云うのなら欠陥品だが、使用者が常識外の使い方をするのであれば、自己責任はどうなのかしっかりと考えて欲しい。
そう言えば、ボールダーでエスカレーターは少しあるが、皆はしっかりと歩いて怪我などしていないようだ。日本の親は子供をしっかりと歩かせることで、日本の子供もたくましく育だててもらいたい。
8/06/2008
ボールダーのスーパーの改造改修合戦
現在ボールダーでいくつかのスーパーで一大改造工事が行なわれている。その最も大きいのはボールダーにおけるホールフーズのボールダー旗艦店の売り場面積倍増計画だ。ホールフーズの破竹の成長の勢いがここへ来て鈍化しているのは、その他の通常のスーパーもホールフーズの独擅場にさせておかないという強い対抗行動と意気込みが増えてきているからだ。しかも、ホールフーズが、現在の店舗の隣にあった本屋のバーンズノーブル社を別のビルに移動させて、自らの店舗面積を倍近くに拡大して、ロハス・メッカのボールダーにおいて圧倒的なポジションを確立しようとしていることに対しての警戒反発の印でもある。
これに対して、今年の初めにできたサンフラワーマーケットも、当市の一つの大きなナチュラルスーパーの撹乱要因になっている。数年前に大手のセーフウェーが北ボールダーでライフスタイル実験店舗を展開して、すでにホールフーズの売り上げを喰い始めていたように、ボールダーの中央部にできた、サンフラワーマーケットは、ホールフーズの新たな手強い競争相手となり、選択肢が増え、ボールダー市民を喜ばせている。
今度は、南ボールダーにあるKing Sooper(テーブル・メサ・ショッピングセンター内)も大きな改修工事のまっただ中だ。そうして、年内までには、ホールフーズから数ブロックの距離にあるKing Sooper30番街とアラパホー街の店舗も改修されることが予定されている。
改造改修の目的は、陳腐化した店舗をより時代の要請に合わせようというものだが、一つには店舗のエネルギー効率の向上が目標になっているものの、当然のことながら、最新の競争相手のテンポに歩調を合わせようと云う目論見は見えてくる。特に、ホールフーズに近い店舗の改造には相当力を入れることが予想される。
元々ボールダーのワイルド・オーツチェーンを買収したホールフーズは、傘下に入った各店舗の改修に手間取ってきたが、ここへきてその改修に力を入れ始めている。モタモタしてはいられなくなったのかと云う感じだ。それについては、また別の機会に書くことにしよう。
King SooperやSafewayの改修とともに、力が入ってきているのはナチュラルやオーガニックフーズへの力(商品)の配分変化だろう。そうしてもう一つはっきりと打ち出されているのは、ナチュラルでローカルの青果物の配分向上だ。もちろん、地元近郊の酪農製品の取り扱い品目も増えている。
テーブル・メサのKing Sooperの改修の完成は10月22日の予定だそうだ。その後は、ホールフーズに近い30番街のものに力が入ることだろうから、ナチュラルスーパーのホールフーズが、コンベンショナルなスーパーと真っ向から対決することになり、ボールダーのスーパー事情は大きく変わることになる。
これまで、ナチュラル、オーガニックスーパーはいわば、ニッチの市場だった。それが、各社のナチュラル・オーガニックビジネスへの本格的参入で、アメリカで最も激戦区になることが予想され、ホールフーズがここでどのように巨大店舗を展開するのか、優位を維持するのか見物となることだけは確かだ。ここの写真は今年の5月に撮影したものだが、ホールフーズに暗雲がかかっているのは何か現状の状態を示唆しているようにも見える。もちろん、ホールフーズの発展を願うが、競争状況が一段と強くなってきていることは間違いない。日本からも、多くのロハス関係者などがボールダーを訪れているが、この刻々と変わっていく市場の変化を、このブログで少しでも感じてもらうことができれば幸いだ。この、変革がもたらすものは、もちろん、新たなサービス業態の発展だろうし、他社を少しでも引き離すために、各社がシノギを削ることによって、全米のナチュラルスーパーの今後のとるべきであろう実験や道筋が少しでもよく見えてくることになるだろう。
これに対して、今年の初めにできたサンフラワーマーケットも、当市の一つの大きなナチュラルスーパーの撹乱要因になっている。数年前に大手のセーフウェーが北ボールダーでライフスタイル実験店舗を展開して、すでにホールフーズの売り上げを喰い始めていたように、ボールダーの中央部にできた、サンフラワーマーケットは、ホールフーズの新たな手強い競争相手となり、選択肢が増え、ボールダー市民を喜ばせている。
今度は、南ボールダーにあるKing Sooper(テーブル・メサ・ショッピングセンター内)も大きな改修工事のまっただ中だ。そうして、年内までには、ホールフーズから数ブロックの距離にあるKing Sooper30番街とアラパホー街の店舗も改修されることが予定されている。
改造改修の目的は、陳腐化した店舗をより時代の要請に合わせようというものだが、一つには店舗のエネルギー効率の向上が目標になっているものの、当然のことながら、最新の競争相手のテンポに歩調を合わせようと云う目論見は見えてくる。特に、ホールフーズに近い店舗の改造には相当力を入れることが予想される。
元々ボールダーのワイルド・オーツチェーンを買収したホールフーズは、傘下に入った各店舗の改修に手間取ってきたが、ここへきてその改修に力を入れ始めている。モタモタしてはいられなくなったのかと云う感じだ。それについては、また別の機会に書くことにしよう。
King SooperやSafewayの改修とともに、力が入ってきているのはナチュラルやオーガニックフーズへの力(商品)の配分変化だろう。そうしてもう一つはっきりと打ち出されているのは、ナチュラルでローカルの青果物の配分向上だ。もちろん、地元近郊の酪農製品の取り扱い品目も増えている。
テーブル・メサのKing Sooperの改修の完成は10月22日の予定だそうだ。その後は、ホールフーズに近い30番街のものに力が入ることだろうから、ナチュラルスーパーのホールフーズが、コンベンショナルなスーパーと真っ向から対決することになり、ボールダーのスーパー事情は大きく変わることになる。
これまで、ナチュラル、オーガニックスーパーはいわば、ニッチの市場だった。それが、各社のナチュラル・オーガニックビジネスへの本格的参入で、アメリカで最も激戦区になることが予想され、ホールフーズがここでどのように巨大店舗を展開するのか、優位を維持するのか見物となることだけは確かだ。ここの写真は今年の5月に撮影したものだが、ホールフーズに暗雲がかかっているのは何か現状の状態を示唆しているようにも見える。もちろん、ホールフーズの発展を願うが、競争状況が一段と強くなってきていることは間違いない。日本からも、多くのロハス関係者などがボールダーを訪れているが、この刻々と変わっていく市場の変化を、このブログで少しでも感じてもらうことができれば幸いだ。この、変革がもたらすものは、もちろん、新たなサービス業態の発展だろうし、他社を少しでも引き離すために、各社がシノギを削ることによって、全米のナチュラルスーパーの今後のとるべきであろう実験や道筋が少しでもよく見えてくることになるだろう。
7/31/2008
夏のバンド・イベント
ダウンタウンボールダーと言えば、パールストリートを指すことがほとんどだ。このパールストリートから車道を取っ払って永久歩行者天国にしてしまってからもう30年以上(8月6日が31年目の記念日だ)経過している。日本の各地の商店街が苦労をしているのを聞くと残念だが、ボールダー銀座のパールストリートは元気だ。このパールストリートモールに関して本を書くことだってできると思う。それだけ、一つの屋外モールとしてアメリカでもこれほど成功しているところは他にも少ないからだ。
単なるモールとして片付けてしまうことができないほどの経済的な成功事例だ。だから、機会があるごとに少しずつこのモールについても書いていくことにしよう。
今日はイベントして、夏の間に何が行なわれているのかだけ少し触れてみよう。いくつかのイベントがあるが、私が家内とよく行くのは、水曜日の夕方7時から9時まで行なわれている、Band on the Bricksと云うイベントだ。夏の期間毎週水曜日に行われるこのイベントは、いろいろなバンドを招いて、カウンティーの裁判所の前の広場を開放して、音楽を流すというものだ。昨日はビートルズの物まねバンドが興行していたので、懐かしい音楽を聴きながら、夕方のひと時を友人たちと楽しんだ。
かなり大掛かりなイベントであるので、どのようにしてその財政を賄っているか、書き記してみよう。ダウンタウンボールダー地区は一つのNPOとして登録されており、このボールダーのダウンタウンの健全なマーケティングを行なうのだが、それを実行する予算はBIDによって地元企業やビルオーナーたちから徴収する特別税によって運営されているのだ。34ブロックの区域の中の事業主たちが供出金として原資を出していることになる。これを使い、ダウンタウン地区の活性化を年間事業としてDBI(NPOのダウンタウン・ボールダー・INC)にマーケティングを実行してもらっている訳だ。一応参画企業のリストもあるので、リンクをつけておこう。
単なるモールとして片付けてしまうことができないほどの経済的な成功事例だ。だから、機会があるごとに少しずつこのモールについても書いていくことにしよう。
今日はイベントして、夏の間に何が行なわれているのかだけ少し触れてみよう。いくつかのイベントがあるが、私が家内とよく行くのは、水曜日の夕方7時から9時まで行なわれている、Band on the Bricksと云うイベントだ。夏の期間毎週水曜日に行われるこのイベントは、いろいろなバンドを招いて、カウンティーの裁判所の前の広場を開放して、音楽を流すというものだ。昨日はビートルズの物まねバンドが興行していたので、懐かしい音楽を聴きながら、夕方のひと時を友人たちと楽しんだ。
かなり大掛かりなイベントであるので、どのようにしてその財政を賄っているか、書き記してみよう。ダウンタウンボールダー地区は一つのNPOとして登録されており、このボールダーのダウンタウンの健全なマーケティングを行なうのだが、それを実行する予算はBIDによって地元企業やビルオーナーたちから徴収する特別税によって運営されているのだ。34ブロックの区域の中の事業主たちが供出金として原資を出していることになる。これを使い、ダウンタウン地区の活性化を年間事業としてDBI(NPOのダウンタウン・ボールダー・INC)にマーケティングを実行してもらっている訳だ。一応参画企業のリストもあるので、リンクをつけておこう。
7/29/2008
安泰なボールダーの不動産事情
ロサンゼレスタイムズを見たら、ロサンゼレスの不動産市場が今回のサブプライム問題で大きな後退していることが報道されている。The Standard & Poors/Case-Shillerの不動産価格指数によると全米トップの都市の指数落下は平均して15.8%(5月の対前年同月指数比較)、ロサンゼレス市が何と24.5%の落ち込みだと言う。もちろん、不動産の価値を決める三大要件はロケーション、ロケーション、ロケーションと言われるので、ロサンゼレスの好ましいところは引き続き高い値段で不動産が売られていると思うが、それにしてもこれまでの急激な価格高騰を受けて大きな打撃を受けていることは間違いない。特に、この記事でクローズアップされているのは、全米のトップ20都市だが、投機的に伸びすぎてしまったところが打撃を受けていることを示しているので、需要と供給の正直な反応と言うべきだろう。
ボールダーはトップ20都市のような大都会ではないので、指数の中にはデーターが入ってこない。しかし、気になるところなので、全米の不動産売価情報を出しているTrulia.comを少し調べてみたら、趨勢としては、直近月では少し落ち込んでいるようだが、全体の流れでは、堅調に推移していることがチャートをご覧いただくとご理解いただけよう。
このことの示すところは、ボールダーは、極度に建設ラッシュを許してこなかった背景があるように見える。そうして、この街に来たい人たちが引き続き多いと云うことだろう。とかく市の財政を健全化すると云うことで、開発を許すことが多くなると、バランスとしては消化不良を引き起こすと云うことを示しているにしか過ぎない。ライフスタイルとは何なのか、何故そこに住みたいかを考えれば、ブームタウンになることを避けると云うことが重要だと云うことを示しているのかも知れない。
私は北ボールダーに比較的余裕のある土地を見つけ、元々農家として建てられた家を、改造して住んでいる。理想にも近いこの家を売りたいとは思わない。この土地に魅せられた人が多いことは、この街の価値を高めてくれている。何だか、ボールダー市のバランス取れた市行政と市民のバランスが素晴らしい。不動産価格の乱高下をみて、ふと、そんな風に思った。
7/25/2008
全米フランチャイズ・レストランが定着しにくいボールダー
先ほぼボールダー・カウンティー・ビジネスリポート紙のウェブニュース配信を見ていたら、2006年にボールダーで開店したテイスト・オブ・フィリーなるフランチャイズレストランがボールダーから撤退したと書いてあった。ボールダーは大学街なので、学生向けの軽食を出すところは多いが、面白いことにこの土地の特性なのか、全米フランチャイズが失敗するケースがとても高い。レストランがさびれているのではなく、繁盛しているところは外で人が待っているようなところも多くある。なぜ、ボールダーで全米のフランチャイズが失敗するのか考えさせられるところだ。テイスト・オブ・フィリーはデンバー発のフランチャイズだが、ウェブサイトに行ってみると、州内の他の個所ではどんどんと開店をしているところのようだ。だから勢いが無いのではなく、ボールダーで受け入れられなかったまでのことかも知れない。
ボールダーに似た人口サイズでやはり大学街のミシガン州のアンアーバー市は、健康やライフスタイルで優れた街としても知られているところだが、10万人の街にマックドナルドの拠点が6店舗ある。しかし、ボールダーにはマックドナルドは、2店舗しか無い。しかも、表現は日本的だが街道沿いに当たるような大通りのところにあり、ボールダーで仕事をするか、通過するソト者を市場としている雰囲気がしないでもない。ダウンタウンにもあまり全米フランチャイズは見られない。
ボールダーのパールストリートは、ダウンタウンの中心部だが、ここである全米フランチャイズは、スターバックス、クイズノー(これはコロラド発)くらいで、後はジェン・アンド・ベリー、ハーゲンダッツのアイスクリーム屋くらいだろうか。ボールダーは、アメリカの通常の市場ではない気がする。ここの人の心をつかむために何かプラスアルファーが必要だ。それが何だか、自分でもよく判らない。また、仲間と話をして彼らの意見も取り入れて報告するようにしよう。
ボールダーに似た人口サイズでやはり大学街のミシガン州のアンアーバー市は、健康やライフスタイルで優れた街としても知られているところだが、10万人の街にマックドナルドの拠点が6店舗ある。しかし、ボールダーにはマックドナルドは、2店舗しか無い。しかも、表現は日本的だが街道沿いに当たるような大通りのところにあり、ボールダーで仕事をするか、通過するソト者を市場としている雰囲気がしないでもない。ダウンタウンにもあまり全米フランチャイズは見られない。
ボールダーのパールストリートは、ダウンタウンの中心部だが、ここである全米フランチャイズは、スターバックス、クイズノー(これはコロラド発)くらいで、後はジェン・アンド・ベリー、ハーゲンダッツのアイスクリーム屋くらいだろうか。ボールダーは、アメリカの通常の市場ではない気がする。ここの人の心をつかむために何かプラスアルファーが必要だ。それが何だか、自分でもよく判らない。また、仲間と話をして彼らの意見も取り入れて報告するようにしよう。
7/24/2008
生ゴミ回収で悩む動物保護課 (続報)
昨日の記事に続き、今朝のデイリーカメラ紙によるとボールダー市の野生動物保護課は、熊がコンポスト容器を荒し回っていたと云うことで、射殺したと云う記事が掲載されている。野生動物保護課としては、熊の住宅への出没で、何度か熊を捕獲して自然へ強制移動をしてきたにもかかわらず、舞い戻ってくるので、人家に戻る習性がついてしまったことで射殺することにしたという。
この記事に関して、既に多くの市民が投稿をしているが、その殆どが、野生動物保護課を非難するか、選別するゴミの出し方を怠った住民への苦情となっているのがボールダーらしい。自然と接近しているボールダーの環境の中の出来事と言えよう。悲しい結論になったが、コンポストの問題をどのように取り扱うようになるのか、続報として何か書くことがあれば書くようにしたい。
この記事に関して、既に多くの市民が投稿をしているが、その殆どが、野生動物保護課を非難するか、選別するゴミの出し方を怠った住民への苦情となっているのがボールダーらしい。自然と接近しているボールダーの環境の中の出来事と言えよう。悲しい結論になったが、コンポストの問題をどのように取り扱うようになるのか、続報として何か書くことがあれば書くようにしたい。
7/23/2008
生ゴミ回収で悩む動物保護課
ボールダーの街は、最近ゴミの収集について大きな方向転換を行なった。その中身は、分別ゴミとして集めていた紙類とプラスチック類などのリサイクルものを別々にではなく、同じゴミ箱で回収することを決めた。そうして、その他にコンポストにできる生ゴミを新たに追加した。私の家では、良い堆肥が欲しいので、自らのコンポストをやっているが、今朝のデイリーカメラ紙を読んでみると、この生ゴミの回収が大きな問題になっているという。つまり、市のワイルドライフ課(市の野生動植物保護課とでも言おうか)が、生ゴミの回収をするのであれば、熊に荒らされないような堅固な入れ物にするべきだと云う注文らしい。当然市のリサイクル課にしてみれば、そんなことをしたらコストが高すぎて回収が難しくなるだろうとあまり嬉しくない。ボールダーがこの問題をどのように解決して行くかが見物だが、すでに、生ゴミの出す時間を前夜でなく、早朝からに制限したりするようにして熊が荒らさないような考えを打ち出している。たぶん、その方向でまとまるものと思うが、もし違っていたら続報することにしよう。ただし、早朝までどこに保存するかと云う問題もあり、ことは厄介だ。
ボールダーは、山から熊が下りてくるだけでなく、ときによってはマウンテンライオンが街まで下りてくるようなところだ。だから、ゴミの問題は、国立公園などに近い規制をしないといけない問題もある。我が家では、写真のようにアライグマが来てゴミ箱に入ってゴミを漁っているところ写真に撮ることができた。ペットにしたいように可愛いが、でも野生の動物であり、逃げられるようにゴミ箱を横倒しにして逃がしてやった。また、ゴミではないが、野鼠などを狙ってコヨーテなど家にきたりしている。もちろん、家のそばにはプレーリードッグなども生息しており、やはりボールダーは自然との接点が大きいと言わざるを得ない。鹿やキツネも多く出るので、自然動物園の中にいるような錯覚するときもある。
ゴミの問題から、ボールダーのゴミリサイクルと野生動物の保護の課題にぶつかった。自然を保護するのにも、多くの課題があり、簡単に処理できないところがボールダーの街の良いところだ。何事にも、バランスをとって行くその姿勢に、これまではじれったかったが、最近大きな共鳴をするようになってきた。
ボールダーは、山から熊が下りてくるだけでなく、ときによってはマウンテンライオンが街まで下りてくるようなところだ。だから、ゴミの問題は、国立公園などに近い規制をしないといけない問題もある。我が家では、写真のようにアライグマが来てゴミ箱に入ってゴミを漁っているところ写真に撮ることができた。ペットにしたいように可愛いが、でも野生の動物であり、逃げられるようにゴミ箱を横倒しにして逃がしてやった。また、ゴミではないが、野鼠などを狙ってコヨーテなど家にきたりしている。もちろん、家のそばにはプレーリードッグなども生息しており、やはりボールダーは自然との接点が大きいと言わざるを得ない。鹿やキツネも多く出るので、自然動物園の中にいるような錯覚するときもある。
ゴミの問題から、ボールダーのゴミリサイクルと野生動物の保護の課題にぶつかった。自然を保護するのにも、多くの課題があり、簡単に処理できないところがボールダーの街の良いところだ。何事にも、バランスをとって行くその姿勢に、これまではじれったかったが、最近大きな共鳴をするようになってきた。
7/21/2008
ホールフーズで販売されるボールダーのおもちゃ
昨年末のクリスマス商戦で、中国製のおもちゃの多くに含鉛塗料が使われていると云うことで大騒ぎになったことを覚えている読者は多いのではないだろうか。アメリカの大手の玩具メーカーが、中国で委託生産をしていたものを、リテーラーから引き上げせざるを得なく、クリスマス商戦で大きな痛手を被った話だ。子供向けの玩具に含鉛塗料を使うのはまったくもって非常識だが、中国だけの責任でなく、メーカーの品質管理を怠った利益追求だけの発想にも大きな問題があったものだと思う。
このような騒動があったおかげで、本来おもちゃとはどうあるべきか、商業主義に陥っているおもちゃの生産販売などについても検証されるようになったのは言うまでもない。子供の知的な発育とともに、どのようなおもちゃが健全なイマジネーションの発育などに役に立つのか、健全なおもちゃが見直されたのは言うまでもない。その中で、脚光を浴びることになったのは、ボールダーの自然玩具を作っているImagiPLAY社だ。この会社を創業をしたのはBarbara Aimesさんだ。彼女は日米で音楽や言語を勉強した知日派の人だ。自然をこよなく愛するエイムズさんは、子供たちにこの自然の尊さを理解させ、子供たちが自然との接点を設けるようにとの努力を重ねてきた。自然玩具の構想もその中で生まれたもの。
ImagiPLAYのおもちゃは、子供に対して安全なだけでなく、地球にとってもやさしいおもちゃなのだ。子供に数やアルファベットを覚えさせたり、世界の動物などを理解させる道具にもなっている。同社の基本方針は環境にとって良いやり方でどのようにおもちゃを作るかと云うことが大きな課題でもある。そのために使う原材料は、ゴムの木だ。ゴムの木は25−30年にわたって天然ゴムの原料なるものを作り出すが、天然ゴムの抽出の寿命が終わると、新しい木と植え替えられる。その廃木を利用して、トゲも無い良材で、おもちゃを作ると云う訳だ。
このImagiPLAYのおもちゃがナチュラルスーパーの最大手のホールフーズに注目され、今年の秋から、全米のホールフーズでおもちゃを取り扱う拠点で販売されることが決まった。ホールフーズが、玩具を採用する際は、通常は各リージョンごとの購買責任者の判断で決められると云うことだが、このImagiPLAYだけは本体が購買を決めると云う珍しいものとなった。ホールフーズとImagiPLAY社が、地球環境を守ろうとする姿勢、価値観が同じと云うのがその大きな理由のようだ。
中国の含鉛塗料おもちゃの問題が発生するまでは、ImagiPLAY社は目立たない会社だった。しかし、子供や環境へのリスクが表面沙汰になると、突然とImagiPLAY社などが脚光を浴びることになった。廃木を利用して、発展途上国で職を与えているこのビジネスは、きっと子供たちに新たな環境への強い絆を作り上げていくことだろう。ボールダーの会社がこのような面でも活躍をしているのは明るい話題だ。
このような騒動があったおかげで、本来おもちゃとはどうあるべきか、商業主義に陥っているおもちゃの生産販売などについても検証されるようになったのは言うまでもない。子供の知的な発育とともに、どのようなおもちゃが健全なイマジネーションの発育などに役に立つのか、健全なおもちゃが見直されたのは言うまでもない。その中で、脚光を浴びることになったのは、ボールダーの自然玩具を作っているImagiPLAY社だ。この会社を創業をしたのはBarbara Aimesさんだ。彼女は日米で音楽や言語を勉強した知日派の人だ。自然をこよなく愛するエイムズさんは、子供たちにこの自然の尊さを理解させ、子供たちが自然との接点を設けるようにとの努力を重ねてきた。自然玩具の構想もその中で生まれたもの。
ImagiPLAYのおもちゃは、子供に対して安全なだけでなく、地球にとってもやさしいおもちゃなのだ。子供に数やアルファベットを覚えさせたり、世界の動物などを理解させる道具にもなっている。同社の基本方針は環境にとって良いやり方でどのようにおもちゃを作るかと云うことが大きな課題でもある。そのために使う原材料は、ゴムの木だ。ゴムの木は25−30年にわたって天然ゴムの原料なるものを作り出すが、天然ゴムの抽出の寿命が終わると、新しい木と植え替えられる。その廃木を利用して、トゲも無い良材で、おもちゃを作ると云う訳だ。
このImagiPLAYのおもちゃがナチュラルスーパーの最大手のホールフーズに注目され、今年の秋から、全米のホールフーズでおもちゃを取り扱う拠点で販売されることが決まった。ホールフーズが、玩具を採用する際は、通常は各リージョンごとの購買責任者の判断で決められると云うことだが、このImagiPLAYだけは本体が購買を決めると云う珍しいものとなった。ホールフーズとImagiPLAY社が、地球環境を守ろうとする姿勢、価値観が同じと云うのがその大きな理由のようだ。
中国の含鉛塗料おもちゃの問題が発生するまでは、ImagiPLAY社は目立たない会社だった。しかし、子供や環境へのリスクが表面沙汰になると、突然とImagiPLAY社などが脚光を浴びることになった。廃木を利用して、発展途上国で職を与えているこのビジネスは、きっと子供たちに新たな環境への強い絆を作り上げていくことだろう。ボールダーの会社がこのような面でも活躍をしているのは明るい話題だ。
ボールダーらしい幼児の社交場
小さな子供のいる両親にとって、外食するのは勇気のいることだ。これまでのチョイスは、マックドナルドなどのようにプレイグランドを併設しているところへ行くのが常だったのかも知れない。マックドナルドだと、安心して子供が遊びに熱中して、汚しても、散らかしても、わめいても、子供を受け入れるスペースを作り上げて、やっていたからだ。我々夫婦も、子供が小さかった頃は、ずいぶんとマックドナルドにお世話になったものだ。
しかし、健食の時代になると、マクドナルドへ行くのも控えたくなる親たちも多いに違いない。より健康的な食事ができるところで、子供が遊びまくれるところなどがあれば、親としてもこれに越したことはない。最近、北ボールダーにこのような趣旨で子供と親が喜んで行けるようなレストラン、遊び施設ができた。その名前も、プレイ・グランド・カフェーだ。
写真で見るように、いたって簡単な作りだが、子供が散らかしても汚くしても、問題なく対応をしてくれるところがミソだ。しかも、そこで提供されるコーヒーや軽食に至っては、ボールダーならではの健食や、フェアトレード、オーガニックなどを揃えたもの。日本の郊外にもこのような施設がでできたら、きっと多くの母親たちが集まり始めることだろう。
面白いのは、料金体系として、子供が一人くる時の日割りの値段、兄弟姉妹がいる時の割引値段もあるが、月額性で相対的に割り引いた料金体系もある。親の眼が届く範囲で子供を遊ばせ、親は優雅にオーガニック軽食を食べたりする。精神衛生上とても身体に良さそうだ。しかも、ここでは今年の9月からアミーゴス・インターナショナルとタイアップをしてスペイン語の幼児クラスも提供する予定だと言う。また、パーティーなどの会場レンタルなどもあり、ロハス的な親子連れのカフェーだ。
もちろんビジネスモデルとして面白いのは、特定市場セグメントの両親が集約されているので、それらと関連するビジネスとの連携、タイアップも多く行なわれているところだ。外食はしたいが、子供がいるために肩身の狭い想いをしたくない人たちを狙った市場モデルは、プロモーションさえしっかりしていれば成功をするだろう。ボールダーらしい、ひとヒネリを入れた商売が面白い。組み合わせを変えれば、多くのことができそうだ。
しかし、健食の時代になると、マクドナルドへ行くのも控えたくなる親たちも多いに違いない。より健康的な食事ができるところで、子供が遊びまくれるところなどがあれば、親としてもこれに越したことはない。最近、北ボールダーにこのような趣旨で子供と親が喜んで行けるようなレストラン、遊び施設ができた。その名前も、プレイ・グランド・カフェーだ。
写真で見るように、いたって簡単な作りだが、子供が散らかしても汚くしても、問題なく対応をしてくれるところがミソだ。しかも、そこで提供されるコーヒーや軽食に至っては、ボールダーならではの健食や、フェアトレード、オーガニックなどを揃えたもの。日本の郊外にもこのような施設がでできたら、きっと多くの母親たちが集まり始めることだろう。
面白いのは、料金体系として、子供が一人くる時の日割りの値段、兄弟姉妹がいる時の割引値段もあるが、月額性で相対的に割り引いた料金体系もある。親の眼が届く範囲で子供を遊ばせ、親は優雅にオーガニック軽食を食べたりする。精神衛生上とても身体に良さそうだ。しかも、ここでは今年の9月からアミーゴス・インターナショナルとタイアップをしてスペイン語の幼児クラスも提供する予定だと言う。また、パーティーなどの会場レンタルなどもあり、ロハス的な親子連れのカフェーだ。
もちろんビジネスモデルとして面白いのは、特定市場セグメントの両親が集約されているので、それらと関連するビジネスとの連携、タイアップも多く行なわれているところだ。外食はしたいが、子供がいるために肩身の狭い想いをしたくない人たちを狙った市場モデルは、プロモーションさえしっかりしていれば成功をするだろう。ボールダーらしい、ひとヒネリを入れた商売が面白い。組み合わせを変えれば、多くのことができそうだ。
7/20/2008
売り上げが急増するファーマーズ・マーケット
ロハスを語るとき、あるいはボールダーの特性を語るときに、ファーマーズマーケットを抜きにして語ることは難しい。それだけ当地の生活風土と一体になっているのだ。しかも、ファーマーズマーケットと云う社会運動に近いモノ自体がアメリカで急激に成長している運動だ。
では、ファーマーズマーケットそのものについて定義をしてみよう。ファーマーズマーケット運動が目指すところは、小さな農家を保存する運動だと言うことだろう。そうして、単一栽培の量産に行き易い大手に比べると、小さな農家は自分の都合に合わせて、いろいろな農産物を生産することから、生物多様性を維持すると云うことも大きな目標にもつながる。なぜ、そうするかと云うと、小さな農家は大規模農法をやっているところとは競争をしても勝ち目がなく、作るものに変化を持たせるし、オーガニックであるが故に多様性が一番害虫からの保全にもなるからだという。スーパーなどに卸しても、利益はほとんどなく、生活が成り立たないと云うのが小さな農家の減少につながっていた。農家の人々が直接最終消費者に農産物を売ることができれば、もっと利益率を高めることができ、自活できるようになるのだ。小さな農家は、もちろん、環境意識が高い人がやって苦労して農作業をしている訳だから、土壌や水質環境については、大規模農法のところよりは関心が高く、地球環境や動物の生存環境にも良くなることもある。
アメリカやカナダでは、より健食に対する関心の高まりから、生産者の顔が見えるようにしたい、生鮮で旬なモノを食べたい、地場の農業を保存したい、あるいはフードマイルを減らしたいなどのロハス的な関心からファーマーズマーケットの人気は高まってきている。近場にサステイナブルな農業を持つことの重要性は大いに意識的に高まっていると言えるだろう。その結果、1994年に1755個所開催されていたファーマーズマーケットは2006年には4385カ所に増大しているという。しかもその数は、加速度的に増え始めている。
ボールダーでもクリーク沿いの週二回(土曜日と水曜日)開催されるファーマーズマーケットの他に、今年から29番街モール内にも毎週マーケットが開催されるようになった。もちろん、参加者にとっては、休息の日を、さらにマーケットで働き続けるので大変なことだと思うが、市場が生鮮などの場を求め始めていることは、無視できない。今日は、その29番街モールの写真のいくつかご披露しよう。
ファーマーズマーケットは、産直とは言え、中間業者がなくとも、値段は巨大スーパーに比べると高いのは事実だ。でも精魂込めて作られた農産物を、もぎ立ての状況で食べられるのは、実にうまい。果物や野菜も食べごろのものを持参してくるので、形状などは一定でないにしても、味は抜群だ。ボールダーの日刊紙のデイリーカメラも、最近の売り上げ増については、好意的に報道をしてくれている。当地のようにナチュラルスーパーが多いところで、共存できる商売が成り立つことは、消費者にとってもこの上なく幸運なことだ。
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